2019/11/05 22:25

そもそも「感情」ってなんだろう?

忙しい日常生活の中で、ついつい脇に置いてしまいがちな「自分の感情」。
「〜すべき」「〜しなければならない」といった頭の声は聞こえるのに、
「私は今、どんなことを感じているんだろう?」は捉えづらいし、難しい。
自分の感情を感じたり、表現したりする習慣に私たちは慣れていないですよね。

今回ご紹介するのは、そんな普段はあまり意識を向けることがなかったり、
言葉にするのが難しい「感情」を可視化した、感情のカードです。

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「〜だと思う/感じる」という表現をしているのは実は感情ではないのかも?

実は私たち、普段から「あなたは可哀想だと思う」「私が悪いと感じる」「あの人は素晴らしいと思う」など、「〜と思う」「〜と感じる」という表現をすることが多いのですが、それらは感情ではありません。それは、相手や自分への評価の言葉だったりします。


「じゃあ、感情ってなんなのよ?」というと、感情とは、「〜だと思う」「〜だと感じる」という言葉がなくても成り立つ表現。例えば「いらいらする」「悲しい」「落ち込んでいる」「わくわく」など、その言葉そのもので意味が通じる表現です。



とはいえ、感情は言葉だけだと表しづらい「目に見えない」もの。


いついかなる瞬間でも、私たちには「感情」があり、何かを必ず感じています。ただ、感情とは身体感覚であり、エネルギーであり、本来は「言葉」ではありません。


例えば私たちが悲しいと感じている時に、身体の中に「悲しい」という言葉があるわけではなく、なんか胸がキュッとしたり、喉が詰まったりする身体の反応として実際には沸き起こるはずです。そして、私たちはその「感覚」に、頭で理解するために名前をつけて「悲しい」とか「もどかしい」とか言葉で表しているにすぎません。


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▲これはどんな感情だと思いますか?①


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▲これはどんな感情だと思いますか?②
(※実際の感情カードには絵と言葉がどちらも描いてあります。)



イメージの力をつかうことで、感情を理解しやすくなる

そんな言葉だけだと捉えづらい「感情」を、絵の力で想像しやすくしているのがこの感情カードです。使い方は自由なのですが、私が実際に使ってみて役に立ったおすすめの使い方をいくつかご紹介します!

①自分自身が1日の振り返りや内省をしたい時に
1日の終わりに「今日どんな感情があったかな?」と感情カードを広げて眺めてみます。すると、「ああ、あの時こんな気持ちだったなあ」と1日の出来事が自分の感情から思い起こされます。そして、どんな感情が出てきたとしてもそれを否定するでもなく、ただ感じる時間を作ることで、自分の感情をなかったことにせず、受け止めることができます。

②大切な人と、対話をする時に
パートナー、ご夫婦、家族、友人など、大切な人と対話をする時にもこのカードは役に立ちます。例えばご夫婦で喧嘩をしてしまったり、すれ違いが起こった時に。落ち着いてからふたりでこのカードを眺めてみます。すると、「あの時はこんな感情だったんだよね」と素直に話しやすくなったり、お互いの理解が深まります。
③「ワークショップ」のはじまりや終わりに
最後に、ファシリテーターの方にもこの感情カードはご愛用いただいています。ワークショップを行う時の最初に、「チェックイン」という時間をとることがあります。その際に、このカードを広げて参加者の方に今の気持ちを選んでもらって、それについて話してもらうことで、場が和み、お互いが信頼して話しやすい空気を作ることができます。

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ぜひ、「感情カード」のある生活を取り入れてみて頂きたいです。また、このインスピレーションになっているNVCに使う「ニーズカード」も合わせて販売しておりますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね!


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〈参考〉
「イラスト付き感情カード」は以下のサイトの感情リストを参考に、畑中みどりが言葉の表現を自分なりにアレンジしたり、色を付け加えることで制作いたしました。また、NVC(Non Violent Communication)の実践で使っていただくことをイメージして元々制作いたしました。

●NVC JAPAN 感情リスト
http://nvc-japan.net/material/feelings_needs_list/
上記のリストは、マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルリストを元に、大勢の協力により作られました。
©️2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, nvc@baynvc.orgwww.baynvc.org 
訳:小笠原春野 改訂:安納献ほか

●NVC とは?
NVCとは互いを大切する関係性を創り出すための対話法で、マーシャル・ローゼンバーグ博士によってい提唱されました。日本語では「非暴力コミュニケーション」「共感コミュニケーション」と呼ばれ、広まっています。
http://nvc-japan.net/
「私/あなたにとって大切にしているものは何だろう?」を、72パターンの色と言葉で描いた、『NVC』ニーズカード。自分の内省や、大切な人とのコミュニケーションツールとしてぜひどうぞ。